13歳で世界記録を樹立、「パリ五輪は最大の夢」アリサ・トゥルー

今年6月、初の女性選手として空中で720度回転するトリック、通称720を大会で成功させたことで、一躍有名となったアリサ・トゥルーさん。目指すはパリ五輪です。

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Japanese-Australian skater Arisa Trew is on track to represent Australia at the Paris Games. Credit: Simon Trew

Key Points
  • 世界ランキング14位のアリサ・トゥルーさんはパリ五輪に向けて順調に進んでいます
  • 13歳のアリサさんは今年、初の女性選手として空中で720度回転する大技を大会で成功させ、スケートボードの歴史に名を刻みました
  • スケートボードに参加する女子が増えたことで背中を押されたと話します
ゴールドコースト在住の、日系スケートボード選手、アリサ・トゥルーさん(13)。

オーストラリア人の父と日本人の母を持つアリサさんは、この12ヵ月間素晴らしい成績を残しており、現在世界ランキング14位。オリンピック出場権を獲得できる上位22人の枠に入っています。

「パリ五輪に行くことは、私の最大の目標のひとつです」

ローマで開催されたパーク世界選手権の直後、SBS日本語放送の取材に応じてくれました。

同大会では総合13位。「もっと良い結果を期待していた」と振り返る一方で、パリ五輪へ向けて、「良い位置」にいると話します。
サーフィンと友達と過ごすことが好きであるというアリサさんは、今年6月、スケートボードの歴史にその名を刻みました。

ユタ州で開催された「トニー・ホーク・バート・アラート」で、初の女性選手として、大技720(空中で720度回転)を大会で成功させたのです。

この技のパイオニアで、1985年に着地に成功したトニー・ホーク氏も、アリサさんの「夢のトリック」の着地を現地で見届けていました。

世界で初めて技を決めたホーク氏からのアドバイスを受けつつ、本人の前で720を成功させた経験は「クレイジー」であったと振り返ります。

「スピンをうまく決めるには、頭をもっと肩の下に潜らせる必要があると、そして、回転を遅くするように言われました」

アリサさんはその後7月、カリフォルニア州で開催されたX Gamesでも720を成功させ、バートで金メダルに輝きました。
アリサさんは今後の大会でも720を決めたいという強い思いを持つ一方で、彼女の焦点は現在パリ五輪にあります。

東京五輪でデビューを果たした競技のひとつ、スケートボードは、「パーク」と「ストリート」の2種類に分けられますが、アリサさんは「パーク」での代表を目指しています。

曲線やお椀のような形状のコースを制限時間内自由に滑り、技を決めていく「パーク」。スピードや独創性、高さなどをもとに採点される競技は、選手の平均年齢が低いことでも知られ、東京五輪では日本の四十住さくら選手(当時19歳)、開心那選手(12)がともに金・銀、そしてイギリス代表で日系のスカイ・ブラウン選手(13)が銅に輝いています。

次のオリンピック予選はドバイで開催されるシャルジャ・パーク2024です。
世界中を飛び回り、競い続けることができるのは、彼女の両親と、専門学校、レベル・アップ・オーストラリアン・スポーツ・アカデミーのサポートがあってこそです。この学校では、スケートボード、サーフィン、BMXフリースタイルのプロフェッショナルなコーチングを提供しています。

「3時間勉強して、あとはスケートをしています。学校の勉強はオンラインですから、海外にいてもできます」

同じ志を持つ仲間と一緒にいることは、とても楽しいことだと話すアリサさんですが、5年前にスケートボードを始めたばかりの頃は、男子が圧倒的に多かったスポーツで、自分の居場所を見つけるのに時間がかかったと言います。
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Young Arisa fell in love with skateboarding almost immediately. Credit: Simon Trew
スケートボードを始めたきっかけは、ある冬、サーフィンをするにはあまりにも寒かったからと説明するアリサさん。

「まるで陸の上でサーフィンしているようでした」

「はじめはボーイズに圧倒されました。誰とも友達でなかったし、本当にシャイだったから、順番が回ってこなかったり、横乗りされることもよくありました」

母親の愛子さんは、もともと運動神経がよかった娘がスケートボードにどんどん夢中になっていくのがはっきりと見て取れたと振り返ります。

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Arisa's sporting talent was obvious from a young age. Credit: Simon Trew
徐々にスケートボードをする女子が増えていったことで、スキルが向上していったと話すアリサさん。

世界各国で開催される大会では、仲良くなった他のスケーターとの再会を楽しみにしていると、笑顔で語ります。

「みんな同い年で、すごく仲がいいです。みんな良い意味で競争心が強く、なによりも楽しくやっています」

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Arisa says she has made many friends around the world from skateboarding. Credit: Simon Trew
は2024年7月26日に開幕し、8月12日まで開催されます。

スケートボードは、「ストリート」が7月27日〜28日、「パーク」が8月6日〜7日に行われ、男女各競技22人ずつの計88人が出場する予定です。
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Published 15 November 2023 1:19pm
By Yumi Oba
Source: SBS


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